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- ナンバープレート認識エンジン -

認識番長3開発ストーリー

いでゼロからげた認識番長

日本国内の自動車ナンバープレートは、数字に加え、平仮名・漢字が使用されていることから、ナンバープレート認識の為には高度な技術と高額な機器が必要だった。立山科学は、世間に受け入れられるナンバープレート認識システムには車番認識エンジンの認識性能が最重要であると考え、認識率が頭打ちとなっていた旧製品を止め、ゼロからの開発に挑んだ。この開発には、画像認識の経験がないエンジニアが初歩から勉強を始め、全く新しい車番認識エンジンを創り上げた。それが「認識番長」の誕生だった。

AIではなくロジック

認識アルゴリズムは、AI(当時のニューラルネットワーク技術)を使うという選択肢もあった。しかし、AIの場合、入力に対する出力結果の過程が不透明であり、誤認識などのエラーに対して、「なぜそうなるのか」という原因追及が難しい。このため、市場に展開する製品として不具合の原因が追究できない可能性のあるAIではなく、ロジックによる認識アルゴリズムを選んだ。

パターンマッチング
独自コーディング

既製のライブラリに頼ることなく、パターンマッチングを独自にコーディング。要の処理をホワイトボックス化することで、さらなる高速化などカスタマイズ可能なものとした

認識番長シリーズ進化

2009年、静止画像ファイルの認識に特化した「認識番長」をリリース。間もなく、ネットワークカメラからのリアルタイム画像を直接処理する「認識番長2」を2010年にリリースした。認識番長2とともに、車番認識が世の中に広がるにつれて、組み込みやクラウドといった新しいニーズが広がってきたため、2017年、さらなる高速化と高性能を追求した「認識番長3」の開発に着手した。

「認識番長3」高速化への挑戦

「認識番長2」の弱点であった認識速度の遅さ(1~3秒程度)の改善が認識番長3開発の大きなテーマであった。認識速度を20倍速く、且つ認識精度をさらに向上させることを目標とし、結果として17.7倍の速度向上を達成。平均認識速度は0.06秒に到達した。この認識速度は、組み込みやクラウドといった新しいニーズへの展開を可能とする。

画像補正精度へのこだわり

画像補正の精度が認識精度に大きな影響を与える。最初の「認識番長」で開発した画像補正技術(特開2011-113311)に拘らず、認識番長2では別の補正方法に置き換え、より高い認識精度を実現していた。認識番長3ではさらに画像補正の精度を上げたことにより、認識精度は6.5ポイント(弊社基準:認識番長2比)向上し、弊社検証環境下で99.5%の認識率を実現した。

徹底的検証

認識番長3は、7000枚を超える検証用画像を用いて、認識性能に関わるバージョンアップの際に、性能のアップグレード、デグレードの有無、認識速度の低下が無いかを確認している。検証用画像の中には、不鮮明な画像や、極端に歪んだ画像、ナンバープレートが斜めに写っているなど、画像認識にとって、難易度の高い画像を敢えて含めている。さらに、最新バージョンでは、検証用画像の情報をデータベース化し、検証ツールを新たに開発。性能の正当性を詳細に分析できる環境を整え、常に性能向上に努めている。

市場ニーズわせて
構築した検証環境

認識番長3は、立山科学の3拠点に検証環境を整備。合計7台のカメラが常時稼働しており、メジャーバージョンアップ時や新カメラの実地検証を行っている。それぞれの検証環境は、工場への入退や、店舗の来店、駐車場の利用時間のカウントやゲート連動など、市場のニーズに合わせて構築している。

技術応用

「認識番長」の認識技術を応用し、特徴のある機能をリリースしている。まず、2019年に通常のナンバープレートとは異なる「外交官ナンバープレート」の認識エンジンをリリース。次に、ナンバー認識した車両の車速を推定する機能を2022年に開発し、リリースした。さらに独自の車両走行方向検知(出入り判定)アルゴリズムで特許を取得した(特開2022-133643)。
この技術は、他の特殊ナンバーにも応用可能であり、より広範な用途への展開に応用できる。我々の技術は日々進化し続け、常に最前線で最善のソリューションを提供することを目指している。

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